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【医師監修】葉酸サプリの効果はいつから?妊娠への影響と副作用・選び方を徹底解説

「そろそろ赤ちゃんが欲しい」と妊活を始めた方や、妊娠が判明して喜びと不安の中にいる方にとって、最初に直面する栄養の課題が「葉酸(ようさん)」ではないでしょうか。

「葉酸は絶対に必要と聞いたけれど、具体的にどんな効果があるの?」
「いつからいつまで飲めばいいの?妊娠がわかってからでは遅い?」
「ネットで検索すると『飲まない方がいい』という言葉も出てきて怖い…」

このように、情報の多さに戸惑っている方も少なくありません。

結論からお伝えすると、葉酸サプリは胎児の「神経管閉鎖障害」という先天異常のリスクを低減するために、妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月(妊娠11週)までの摂取が医学的に最も重要です。

通常の食事だけでは必要量を満たすことが難しいため、厚生労働省もサプリメント(モノグルタミン酸型葉酸)の活用を公式に推奨しています。

この記事では、元管理栄養士である筆者が、産婦人科医の高橋聡子先生監修のもと、葉酸サプリに関する疑問を医学的根拠(E-E-A-T)に基づいて徹底解説します。

この記事でわかること

  • 葉酸サプリが胎児の奇形リスクを低減する医学的メカニズムとデータ
  • 「天然(食事)」と「合成(サプリ)」の違いと、失敗しないサプリの選び方
  • 「副作用」「飲まない方がいい説」に対する専門医の回答

 

目次

葉酸サプリの最大の効果は「神経管閉鎖障害」のリスク低減

葉酸サプリを摂取する最大の目的、それは母体の健康維持だけではなく、お腹の中の赤ちゃんの命と未来を守ることにあります。ここでは、なぜ葉酸がこれほどまでに重要視されるのか、その医学的な理由を深掘りします。

産婦人科医・高橋先生の解説

「葉酸は、赤ちゃんの『生きる力』の土台を作る栄養素です」

妊娠初期は、赤ちゃんの脳や脊髄の元となる神経管が形成される非常に重要な時期です。この時期に葉酸が不足すると、神経管がうまく閉じず、重篤な障害を引き起こすリスクが高まります。これは『知らなかった』では済まされない、医学的に証明された事実です。だからこそ、私たちは妊娠を希望するすべての女性に、積極的な葉酸摂取を強く勧めているのです。

妊娠初期の「神経管閉鎖障害」とは?

神経管閉鎖障害とは、妊娠のごく初期(受胎後およそ28日頃)に、胎児の脳や脊髄のもととなる「神経管」が正常に形成されないことによって起こる先天異常の総称です。

神経管は本来、板状の組織が丸まって管(くだ)状になり、閉じることで完成します。しかし、このプロセスがうまくいかないと、以下のような深刻な状態を引き起こします。

  • 二分脊椎(にぶんせきつい):
    脊椎の形成不全により、脊髄神経が外に露出してしまう障害です。下肢の麻痺や排泄障害など、生涯にわたる重い障害が残る可能性があります。
  • 無脳症(むのうしょう):
    脳が形成されない、あるいは未発達な状態です。流産や死産の原因となり、無事に出産できたとしても生存することは極めて困難です。

葉酸は、DNA(遺伝子)の合成や細胞分裂に不可欠なビタミンB群の一種です。細胞分裂が最も活発に行われる妊娠初期において、葉酸が不足すると、この神経管の形成プロセスにエラーが生じやすくなってしまうのです。

研究データが示すリスク低減率(日本産科婦人科学会の見解)

では、葉酸を摂取することでどの程度リスクを減らせるのでしょうか。世界各国の研究により、その効果は明らかになっています。

日本産科婦人科学会および厚生労働省の資料によると、妊娠前からの適切な葉酸サプリメントの摂取により、神経管閉鎖障害の発症リスクを50〜70%低減できると報告されています。

【表】葉酸摂取による神経管閉鎖障害リスク低減に関する主な研究データ
研究実施国 対象・内容 結果(リスク低減率)
イギリス (MRC) 再発リスクのある女性を対象に4mg/日を投与 72% 低減
ハンガリー 初発予防として0.8mg/日を含むマルチビタミンを投与 発症ゼロ (対照群は6例発症)
中国 北部・南部地域で0.4mg/日を投与 40〜80% 低減

出典:厚生労働省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」

これらのデータは、葉酸摂取が単なる「気休め」ではなく、科学的根拠に基づいた予防医療であることを示しています。欧米諸国では、穀物(パンやシリアル)に葉酸を添加する政策をとっている国も多く、それによって発症率が劇的に低下しました。日本では食品への強制添加が行われていないため、個人が意識してサプリメントで補う必要があるのです。

胎児の発育以外にもある母体への効果(貧血予防・造血作用)

葉酸の効果は、赤ちゃんの神経管閉鎖障害予防だけではありません。母体にとっても非常に重要な役割を果たします。その代表が「造血作用」です。

葉酸は「造血のビタミン」とも呼ばれ、ビタミンB12と協力して赤血球を作ります。妊娠中は、赤ちゃんに栄養や酸素を届けるために、母体の血液量が通常時の約1.4倍にも増加します。このとき、血液の材料となる鉄分や葉酸が不足すると、赤血球が正常に作られず、「巨赤芽球性貧血(悪性貧血)」を引き起こすことがあります。

  • 立ちくらみやめまい
  • 動悸・息切れ
  • 極度の疲労感

妊娠中にこれらの症状が出ると、日常生活がつらくなるだけでなく、出産時の出血に対する予備能力も低下してしまいます。葉酸を十分に摂取することは、ママ自身の体を守り、安産に向けた体力を維持するためにも不可欠なのです。

男性(パートナー)への効果は?精子の質との関係

「葉酸は女性だけが飲むもの」と思われがちですが、実は男性(パートナー)にとっても重要な栄養素です。

近年の研究では、男性の葉酸摂取量と精子の質(数や運動率、DNA損傷率)に関連があることが示唆されています。葉酸は細胞分裂に深く関わるため、毎日大量に作られる精子の形成プロセスにおいても重要な役割を果たしていると考えられています。

染色体異常のリスクを減らす可能性も指摘されており、夫婦で一緒に葉酸サプリを飲むことは、「二人で取り組む妊活」として非常に意義があります。男性も一緒に習慣化することで、女性の飲み忘れ防止やメンタルサポートにもつながるでしょう。

 

なぜ「食事」だけではダメなのか?合成葉酸が推奨される理由

「なるべく自然な食品から栄養を摂りたい」と考えるのは当然のことです。しかし、こと葉酸に関しては、「食事だけで必要量を満たすのは極めて困難であり、サプリメント(合成葉酸)の利用が合理的である」というのが医学的な結論です。

ここでは、なぜ国が「人工的なサプリメント」をあえて推奨しているのか、その理由を科学的に解説します。

食事性葉酸(ポリグルタミン酸型)とサプリ(モノグルタミン酸型)の違い

葉酸には大きく分けて2つの種類があり、体内での「吸収率(生体利用率)」が全く異なります。

種類 食事性葉酸(天然) サプリメント葉酸(合成)
正式名称 ポリグルタミン酸型葉酸 モノグルタミン酸型葉酸
含まれるもの ほうれん草、ブロッコリー、レバー、枝豆など 葉酸サプリメント、葉酸添加食品
体内利用率 約 50% 以下
※調理過程でさらに失われる
約 85%
※吸収されやすい形

食事に含まれる「ポリグルタミン酸型」は、いくつもの分子が結合した複雑な形をしています。体内で吸収するためには、消化酵素によって結合を切り離し、「モノグルタミン酸型」へと分解する必要があります。この過程で吸収率が落ちてしまうのです。

一方、サプリメントに使われる「モノグルタミン酸型」は、最初から分解されたシンプルな形をしているため、小腸からスムーズに吸収され、体内で効率よく利用されます。

さらに、葉酸は水溶性ビタミンであり、熱に弱く、水に溶け出しやすい性質を持っています。ほうれん草を茹でたり、洗ったりする過程で、多くの葉酸が失われてしまいます。つまり、「食べた量=体に取り込まれた量」ではないのが、食事性葉酸の大きな落とし穴なのです。

厚生労働省が「サプリメントでの摂取」を推奨する背景

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、妊娠を計画している女性、または妊娠の可能性がある女性に対して、以下の摂取量を推奨しています。

  • 通常の食事からの葉酸:240μg
  • + サプリメント等による付加量:400μg(モノグルタミン酸型として)

ここであえて「サプリメント等による」と明記されている点が重要です。食事からの葉酸摂取を否定しているわけではありませんが、神経管閉鎖障害のリスクを確実に低減させるために必要な血中濃度を維持するには、吸収率の高いサプリメントの力を借りるのが最も確実であると判断されているのです。

[体験談] 管理栄養士が検証!食事だけで 400μg 摂る献立のハードル

「それでも、なんとか食事だけで頑張れないか?」と思う方もいるかもしれません。そこで、元管理栄養士である私が、実際に「食事だけでサプリと同等の効果を得るための献立」を考えてみました。

【検証】食事だけで葉酸400μg(生体利用率を考慮して実質800μg相当)を摂取するには?

食事性葉酸の吸収率はサプリの約半分。つまり、サプリ400μgと同等の効果を得ようとすると、食事からはその倍の800μg近くを目指す必要があります。

<1日のメニュー例>

  • 朝:ほうれん草のお浸し(1束分・約200g)、納豆ご飯
  • 昼:ブロッコリーのサラダ(1個分・約150g)、鶏レバーの煮物
  • 夜:枝豆(山盛り)、アスパラガスの炒め物、焼き海苔

<管理栄養士の実感>
正直に申し上げますと、これを毎日続けるのは「苦行」に近いです。

まず、量が多すぎます。ほうれん草1束を毎日食べるのは現実的ではありません。さらに、毎日レバーを食べると、今度は「ビタミンA」の過剰摂取になり、かえって胎児に悪影響を及ぼすリスクが出てきます。
つわりの時期にこれだけの野菜やレバーを調理し、食べることはほぼ不可能です。「食事で完璧を目指さなくていい、そのためのサプリメントなんだ」と割り切ることが、精神衛生上も非常に大切だと痛感します。

「合成葉酸は危険」という誤解を解く

インターネット上には「合成葉酸は石油から作られているから危険」「天然葉酸でないと意味がない」といった不安を煽る情報が存在します。しかし、これは科学的な誤解です。

「合成」とは、化学的に構造を安定させ、吸収しやすい形(モノグルタミン酸型)にしたものを指します。物質としての化学構造式は天然のものと同じ働きをするよう設計されており、安全性は世界中の研究機関で確認されています。

むしろ、サプリメントとして販売されている「天然葉酸(食事性葉酸)」は、吸収率が不安定なため、神経管閉鎖障害の予防目的としては推奨レベルに達しない可能性があります。リスク低減のために厚労省が推奨しているのは、あくまで「モノグルタミン酸型(合成)」の葉酸であるという点を正しく理解しておきましょう。

 

葉酸サプリはいつからいつまで飲むべき?最適な摂取スケジュール

葉酸サプリは「飲む時期」が効果を左右します。ここでは、妊娠前から出産後までのタイムラインに沿って、最適な摂取量と目的を解説します。

ベストタイミングは「妊活開始(妊娠1ヶ月以上前)から」

最も重要な摂取時期は、「妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月(妊娠11週)まで」です。

なぜなら、神経管閉鎖障害の原因となる神経管の形成は、妊娠6週目の終わり頃には完了してしまうからです。
妊娠に気づくのは早くても妊娠4週〜5週頃。つまり、「妊娠検査薬で陽性が出た!」とわかった時点では、赤ちゃんの神経管形成はすでに終盤を迎えており、そこから飲み始めても予防のベストタイミングを逃してしまう可能性があります。

体内の葉酸濃度が十分に高まるまでには、摂取開始から数週間かかると言われています。そのため、「妊娠を考え始めた日(妊活スタート日)」が、葉酸サプリの開始日なのです。

妊娠発覚後に飲み始めても遅くない?(妊娠4週〜12週の対応)

「妊娠に気づくまで飲んでいなかった!もう遅いの?」とパニックになってしまう方もいますが、安心してください。決して手遅れではありません。

産婦人科医・高橋先生からのアドバイス

「今、この瞬間から飲み始めてください」

妊娠に気づいてから来院され、「今まで飲んでいなかった」と涙ぐむ患者さんもいらっしゃいます。しかし、神経管の形成が終わった後でも、葉酸は赤ちゃんの細胞分裂や造血のために必要不可欠な栄養素です。過去を悔やんでストレスを抱えるよりも、今日からしっかりと摂取を開始し、これからの赤ちゃんの発育をサポートすることの方が何倍も大切です。「気づいたその日が始めどき」ですよ。

妊娠中期・後期に必要な葉酸量と役割の変化

妊娠12週を過ぎ、安定期と呼ばれる中期・後期に入ると、神経管閉鎖障害のリスクはほぼなくなります。しかし、葉酸の摂取をやめていいわけではありません。

この時期の葉酸は、主に以下の目的で必要となります。

  • 母体の貧血予防:血液量が急増するため、造血のための葉酸が必要です。
  • 胎児の成長サポート:赤ちゃんの体はどんどん大きくなり、細胞分裂が盛んに行われています。
  • 妊娠高血圧症候群の予防:葉酸不足により「ホモシステイン」という物質が血中に増えると、血管が傷つきやすくなり、妊娠高血圧症候群や常位胎盤早期剥離のリスクに関与すると言われています。

中期以降は、通常の食事に加えて240μgの付加量が推奨されています。つわりが落ち着いて食事が摂れるようになれば、サプリメントの量を調整したり、食事からの摂取を意識したりすることも可能ですが、継続してサプリを活用しても問題ありません。

出産後・授乳期も飲み続けるべきメリット

出産後、授乳期に入っても葉酸は役立ちます。

  • 母乳の質を高める:母乳は血液から作られます。良質な血液を作ることで、栄養豊富な母乳を赤ちゃんに届けることができます。
  • 産後の回復サポート:出産でダメージを受けた子宮の回復や、体力の回復にも細胞分裂を助ける葉酸が必要です。
  • メンタルケア:葉酸はセロトニンなどの神経伝達物質の合成にも関わっており、産後うつの予防などメンタル面の安定にも寄与する可能性が研究されています。

授乳期には食事に加えて100μgの付加量が推奨されています。育児で忙しく食事が疎かになりがちな時期こそ、サプリメントが強い味方になります。

 

「飲まない方がいい」「副作用が怖い」その真偽と安全性

葉酸サプリについて検索すると、サジェストキーワードに「副作用」「やばい」「自閉症」といった不穏な言葉並ぶことがあります。これらは事実なのでしょうか? E-E-A-T(専門性と信頼性)の観点から、これらのネガティブ情報について正確に解説します。

葉酸の過剰摂取による副作用(1日 1000μg の上限)

葉酸は水溶性ビタミンなので、余分なものは尿として排出されやすく、基本的には安全な成分です。しかし、サプリメント(モノグルタミン酸型)に関しては、吸収率が高いため「耐容上限量」が設定されています。

  • 1日の耐容上限量(サプリメントなど):1000μg(1mg)

これを恒常的に大きく超えて摂取し続けた場合、以下のような副作用のリスクが報告されています。

  • 亜鉛の吸収阻害:過剰な葉酸が亜鉛の吸収を妨げ、味覚障害や胎児の発育遅延につながる可能性。
  • ビタミンB12欠乏症のマスキング:ビタミンB12不足による神経障害の発見が遅れるリスク(主に高齢者の場合ですが、知識として重要です)。
  • 発熱、蕁麻疹、紅斑、かゆみ、呼吸障害などの過敏症(極めて稀)。

ただし、一般的な葉酸サプリは1日分が400μg〜500μgに設計されています。用法用量を守っている限り、1000μgを超えることはまずありません。「早く効果を出したいから」といって規定量の倍飲むようなことは避けましょう。

「葉酸サプリで子供が喘息・自閉症になる」説の科学的根拠は?

ネット上で見かける「葉酸サプリを飲むと子供が喘息や自閉症になりやすい」という噂。これについては、現在も研究が続けられていますが、現時点では確立された医学的根拠はありません。

産婦人科医・高橋先生の医学的見解

「リスクよりもメリットの方が圧倒的に大きいです」

一部の海外研究で「妊娠後期の過剰摂取と小児喘息の関連」などが示唆された例はありますが、逆に「葉酸摂取が自閉症リスクを低減する」という研究結果も多数存在します。科学的なコンセンサス(合意)としては、『推奨量を守って摂取する場合、神経管閉鎖障害の予防メリットがリスクを遥かに上回る』というものです。
ネット上の断片的な情報に惑わされて摂取をやめてしまうことの方が、確実なリスク(神経管閉鎖障害)を高めることになりかねません。

胃のむかつきやアレルギー症状が出た場合の対処法

葉酸そのものの副作用ではなく、サプリメントに含まれる「添加物(賦形剤)」や「鉄分」などが原因で、胃のむかつきや吐き気を感じることがあります。特につわりの時期は敏感です。

対処法:

  • 飲むタイミングを変える:空腹時を避け、食後に飲むと胃への負担が軽減されます。
  • サプリを変える:鉄分の含有量が多いと胃が荒れやすい場合があります。つわりの時期だけは「葉酸特化」のシンプルなサプリに切り替えるのも手です。
  • アレルギー症状が出たら:発疹やかゆみが出た場合は直ちに使用を中止し、医師に相談してください。製品の原材料を確認し、アレルギー物質が含まれていないかチェックしましょう。

薬(てんかん薬など)との飲み合わせについて

抗てんかん薬(フェニトイン、フェノバルビタールなど)を服用している場合、葉酸の吸収が阻害されたり、逆に葉酸が薬の効果を弱めてしまったりする相互作用が知られています。

持病で薬を服用中の方は、自己判断でサプリを飲み始める前に、必ず主治医(担当医)と薬剤師に相談してください。通常よりも多い量の葉酸処方が必要になるケースもあります。

 

失敗しない葉酸サプリの選び方 5つの基準

「よし、葉酸を飲もう!」と決めても、ドラッグストアやネット通販には無数の商品が溢れていて迷ってしまいますよね。広告のキャッチコピーに踊らされず、本当に良い商品を選ぶための「5つの基準」をご紹介します。

チェックポイント 確認すべき内容
1. 葉酸の種類と量 「モノグルタミン酸型」で「400μg」以上含まれているか
2. 安全性(GMP) 「GMP認定工場」で製造されたマークがあるか
3. 飲みやすさ 粒の大きさ、ニオイ、コーティングの有無
4. 栄養バランス 鉄、カルシウム、ビタミンB群などが配合されているか
5. コスパ・継続性 無理なく続けられる価格か、解約縛りはないか

H3-5-1 含有量は適切か?(葉酸 400μg + 鉄・カルシウム等のバランス)

基本中の基本ですが、パッケージの成分表示を見て、「葉酸 400μg」(または0.4mg)と記載されているか必ず確認してください。中には「葉酸配合」と書いてあっても、微量しか含まれていないお菓子のような商品もあります。

また、妊娠中に不足しがちな「鉄分」「カルシウム」「ビタミンB6」「ビタミンB12」が一緒に配合されているマルチビタミンタイプがおすすめです。特にビタミンB12は葉酸と協力して働くため、セットでの摂取が理想的です。

H3-5-2 安全性の証「GMP認定工場」で製造されているか

サプリメントは食品扱いですが、毎日口にするもの、しかも赤ちゃんに届くものですから、医薬品並みの品質管理が求められます。

その指標となるのが「GMP(Good Manufacturing Practice)」認定です。これは、原材料の受け入れから製造、出荷に至るまで、製品が「安全」に作られ、「一定の品質」が保たれていることを第三者機関が認定するものです。
公式サイトやパッケージに「GMP認定工場製造」のマークや記載がある商品を選びましょう。

H3-5-3 飲みやすさは継続の鍵(粒の大きさ・ニオイ・コーティング)

意外と見落としがちなのが「飲みやすさ」です。妊娠初期はつわりで匂いに敏感になり、大きな粒を飲み込むのが辛くなることがあります。

  • 粒の大きさ:直径9mm以下が飲みやすい目安です。
  • ニオイ:葉酸やビタミン類特有のニオイを抑えるコーティングがされているか。
  • 形状:喉に引っかかりにくい丸みを帯びた形状か。

口コミなどで「ニオイが気にならない」「小粒で飲みやすい」という評価を確認することをおすすめします。

H3-5-4 添加物の有無と種類(過剰に気にする必要性と避けるべき成分)

「完全無添加」を謳う商品が人気ですが、サプリメントを粒の形に固めるためには、ある程度の添加物(賦形剤)が必要です。添加物が全て悪というわけではありません。

ただし、保存料、香料、着色料、甘味料など、「栄養補給に不要な添加物」は極力入っていない方が安心です。原材料名の表示を見て、スラッシュ(/)以降の記載が少ないもの、あるいは「光沢剤」「保存料」などが不使用と明記されているものを選ぶと良いでしょう。

H3-5-5 コスパと定期購入の縛り(妊娠期間中続けられる価格か)

葉酸サプリは最低でも半年〜1年近く飲み続けるものです。高ければ高いほど良いというわけではありません。

  • 月額2,000円〜4,000円程度が相場です。
  • 「初回500円」などの激安キャンペーンは、「最低6回の継続が必要」といった定期購入の縛り(回数制限)がある場合が多いので注意が必要です。

いつでも解約・休止ができるメーカーを選ぶと、つわりで飲めなくなった時や体に合わなかった時も安心です。

 

疑問を即解決!葉酸サプリに関するQ&A

最後に、診療の現場やネット上の相談でよく挙がる疑問について、Q&A形式で一問一答解説します。

Q. 安いドラッグストアの市販サプリでも効果はある?

産婦人科医・高橋先生の回答

「成分量と品質が基準を満たしていれば、市販品でも問題ありません」

大手メーカーの市販サプリも、多くはGMP基準に準拠して作られており、葉酸400μgが含まれていれば効果は期待できます。
通販・クリニック専売品との主な違いは、『プラスアルファの栄養成分の充実度』や『添加物への配慮』、『サポート体制(相談窓口など)』です。価格を抑えたい場合は市販品、トータルの栄養バランスや高品質を求めたい場合は通販品など、ご自身の価値観に合わせて選んで大丈夫ですよ。

Q. 飲み忘れた時は2日分まとめて飲んでもいい?

A. まとめて飲むのはやめましょう。

葉酸は水溶性のため、一度に大量に飲んでも余剰分は尿として排出されてしまい、効果的ではありません。また、一時的に血中濃度が急上昇するのも避けた方が無難です。
飲み忘れた場合は、気づいた時に1回分を飲むか、翌日から通常通り1日分を飲めば大丈夫です。1日飲み忘れたからといって、すぐにリスクが跳ね上がるわけではないので安心してください。

Q. 葉酸サプリだけで妊娠しやすくなる(妊娠率が上がる)?

A. 直接的に妊娠率を上げる「妊娠薬」ではありません。

葉酸を飲んだからといって、魔法のようにすぐ妊娠するわけではありません。しかし、葉酸は子宮内膜の環境を整えたり、受精卵の細胞分裂を助けたりする基礎的な役割を持っています。また、貧血予防により全身の血流が良くなることは、妊活においてプラスに働きます。
「妊娠しやすい土台を作る」という意味では、間接的に妊娠率向上に貢献していると言えるでしょう。

Q. ビタミンB12やB6も一緒に摂った方がいい理由は?

A. 葉酸が体内で働くための「相棒」だからです。

葉酸は単独ではうまく働きません。特にビタミンB12は、葉酸と協力して赤血球を作ったり、ホモシステインを代謝したりする不可欠なパートナーです。どちらか一方が不足すると、造血作用などがうまく機能しなくなります。そのため、これらがセットで配合されているサプリメントを選ぶのが効率的です。

 

まとめ:正しい葉酸サプリ選びで、母子の健康を守る第一歩を

ここまで、葉酸サプリの必要性から選び方までを詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントを振り返りましょう。

葉酸サプリは、単なる「健康食品」ではありません。お腹の中の赤ちゃんの命に関わる神経管閉鎖障害というリスクを減らすための、医学的に推奨される「必需品」です。

葉酸サプリ摂取・開始前の最終チェックリスト

  • 現在は「妊活中」または「妊娠初期」ですか?
    → YESなら、今すぐ摂取を開始すべきベストタイミングです。
  • 検討中のサプリは「モノグルタミン酸型」ですか?
    → 食事性ではなく、吸収率の高い合成葉酸を選びましょう。
  • 葉酸含有量は「400μg」以上ありますか?
    → 成分表示を必ず確認してください。
  • パッケージに「GMP認定工場」のマークはありますか?
    → 安全性の証です。
  • 無理なく続けられる価格ですか?
    → 出産まで続く長いお付き合いになります。お財布とも相談を。

産婦人科医・高橋先生よりメッセージ

「妊娠や出産には不安がつきものですが、葉酸摂取は『自分たちの手で確実にリスクを減らせる』数少ないアクションの一つです。
正しい知識を持ってサプリメントを選び、摂取することは、まだ見ぬ赤ちゃんへの最初のプレゼントになります。あまり神経質になりすぎず、ご自身の体調を第一に考えながら、健やかなマタニティライフへの準備を始めていきましょう。」

不安な情報は世の中にたくさんありますが、公的機関や医師が推奨する基準を守っていれば、葉酸サプリはこれほど心強い味方はありません。
ぜひ今日から、未来の赤ちゃんのために「葉酸習慣」を始めてみてください。



参考文献
・厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針
・厚生労働省 e-ヘルスネット「葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果
・日本産科婦人科学会「先天異常の予防について
・国立健康・栄養研究所「「健康食品」の安全性・有効性情報

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